■歌舞伎などの日本の伝統芸能の分野においては、
基本的に世襲制を用いており、
同じ血を引き継ぐ人しかそのわざを
引き継ぐことはできません。
少し違った見方をすると、
引き継ぐ伝統芸能が好きであっても好きでなくても、
その仕事をやらなければいけないということです。
伝統芸能を引き継ぐという仕事が好きなのか、
好きではないのかというのは
本人しかわかりませんが、
誰もが厳しい稽古を積むことによって
一流の人になっていくということを
考えていくと、継続することで興味が
沸いてくると言えるのかもしれません。
■これはあくまでも仮説ですが、
小さい時から親の姿を見続けてきたからこそ、
そういった特殊な世界に入り込む際に
大きな障壁がないということも考えられます。
そして、これは伝統芸能の世界に限ったことではなく、
どのような分野においても同じようなことが見てとれます。
■例えば、スポーツの選手で考えて言えば、
プロ野球の長嶋茂雄選手の息子の長嶋一茂選手は
同じくプロ野球の選手になりましたし、
ハンマー投げの室伏広治さんのお父さんも、
ハンマー投げの選手でした。
つまり、適性があるないは別にしても、
親の姿ロールモデルを見続けることによって、
その世界観が自分の中に入り込んでいくということです。
■ここでの重要なポイントとして、
そのロールモデルに対して接する回数を増やすことで、
そのロールモデルに近づくことができるようになり、
その結果としてロールモデルと同じような
結果を出すことができるようになる点が
あげられます。
そう考えていくと、
私たちも、仕事においては、
まずはロールモデルを見つけ、
その人に1歩でも近づこうと
意識し、行動し続けることが
重要といえるのではないでしょうか。
■例えば、サラリーマンであっても、
上司がいない、もしくは上司がいても
全く指導をしてくれない場合と、
親身に指導してくれる上司がいた場合、
どちらが成長の速度が速いと言えるでしょうか。
おそらく間違いなく後者の方が
成長率が高いと言えるでしょう。
■即ち、これは私達は自分の頭で考え行動をしても
その成果が最大化される可能性は
極めて低いということを意味しているのです。
今まで何千年にもわたって
人間が積み上げてきた考え方が
言葉として残っているのですから、
その言葉を使わない理由はないと言えるでしょう。
だからこそ、私たちは学び、
気づきを言語化して、
さらに徹底的に真似ができるような
ロールモデルを見つけたら、
そのロールモデルに近づいていくべく、
徹底的な模倣をしていくべきだと思うのです。
その上で、自分なりのアレンジを
どこかのタイミングから加えていけば良いでしょう。
そう考えると、自分の理想とする
ロールモデルを見つけることが
できたのであれば、何が何でもその人に
しがみついて徹底的に盗むという意識を
持つことがまずは重要だと思われるのです。
それが自分にとって近しい人であれば
一番理想的かもしれませんし、
そうでなくても色々な関係性の中で
学びを深めていくことができるでしょう。
■自分の力に頼らず、
既に存在している言葉で伝承された
知識、スキル、ノウハウを徹底的に
真似ていく。まずはここから意識付けを
行っていくことによって、
学び、成長するための土台を
作ることができると言えるのではないでしょうか。
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今日のまとめ
・成長の速度を高めるには、
ロールモデルを見つけるのが早い。
・だからこそ、ロールモデルを
見つけたら、何がなんでも
しがみつき続けるべき。
・全てを模倣した上で、
自分の独自性を出していくことが
大切といえるだろう。
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