■ちょっとした言葉というのは、
人の気持ちや考え方を大きく変えてしまう
可能性があると考えています。
そして、このちょっとした言葉が自分の中に
無意識に入ってしまうと、
どんどん悪い方向に向かっていってしまう。
という恐れがあります。
具体的な例と共に考えていきましょう。
■今日の朝、
通勤中に前を走っていたバスの
広告が目に入りました。
広告に書かれていたのはバスの運転手を
募集するというものです。
そこで書かれていた内容は、
「今だからこそ、バス運転手に
なりませんか。」
という内容でした。
よくよく考えてみると、
「今こそ」、という言葉は
とても怖い魔法のような言葉です。
■例えば、
今年の夏こそダイエットをしよう。
という言葉であったり、
今年こそしっかりと目標を立てよう。
といったいった形で、
「〇〇こそ」という言葉を使ったことが一度は
あるのではないでしょうか。
■そういった言葉を耳にするたびに、
今年は頑張って目標を立てなければ
いけない。という思いであったり、
今年の夏はちょっと体重を落とそう。
という決意を固めた方も少なくないかもしれません。
目標を立てることも、ダイエットをすることも
良いことですよね。
だからこそ、その良いことを
後押ししてくれるような、
「今日こそ」、「今こそ」という言葉には
人の気持ちを大きく動かす
ポイントが詰まっているのです。
さらに、こういった言葉は、
何回も使っていく度に、
その言葉が自然と体の中に染
み込んでしまう恐れがある、
という問題点を持っています。
■ここで、「今こそ運転手に応募しよう」
という言葉について改めて
少し考えてみましょう。
よく考えてみると、バスの運転手に
「今」応募する必要性というのは
しっかりと考えなければ浮かんでくるものではありません。
ただ、今こそという言葉を耳にすると、
無意識のうちに「今動かなければいけない」
という感情が少なからず起きてきてしまうのです。
これが言葉の魔力です。
■こういった言葉は、普段の生活の中で
よく使われており、そのよく使われている
言葉だからこそ、人に対して大きな影響を
与えています。
違う例で考えていきましょう。
■例えば、1年間ずっと勉強を繰り返していた人が
いたとします。
この人は1年間、毎日勉強を継続する癖が
ついていたのですが、試験が終わった時、
「今まで1年間、毎日勉強頑張ってきたのだから
1週間ぐらい勉強を休んでもいいだろう。」
と言い、1週間勉強を休んだとしましょう。
すると、1週間経っても勉強週間は
戻らず、そのまま勉強する週間を
無くしてしまう。ということが
往々にして起こってしまうのです。
■確かに、1年間、毎日頑張ったのであれば、
1週間ぐらい休んでもいいと思うことは当然です。
ただ、この時1週間休んだ後に再び勉強を
開始できるかというと、
そうではないのです。
1週間休んだけど、
もう1週間ぐらい休んでも
良いかな。
と考えはじめ、
それが1か月、1年と続いて
しまうのです。
結果として、今まで身についてきた
勉強の習慣というものが
一瞬にして消えてしまうのです。
■なぜこのようになってしまうのか
という点については、
今回の内容とは異なる部分ですので、
今回は割愛をさせていただきますが、
いずれにせよ、自分の考え方を正当化するような
ちょっとした言葉というのは、
日々生活の中でたくさん出てくるものであり、
その言葉があなたの良い習慣を一瞬にして
奪い去ってしまう可能性がある。
と考えた方がいいでしょう。
では、どうすればこういった問題に
対応できるのかという点になってくると思いますが、
そのポイントというのは自分の気持ちが
ちょっと動いた瞬間に、その言葉が
何で自分の気持ちを動かしたのかという点について
考えることだと考えています。
冒頭でお話したバスの広告の例で
考えてみると、今ならバスの運転手に
なっても良いかも。
と思った瞬間に、なぜそう思ったのか。
ということを考える習慣をみにつけることが
大切なのです。
今回のバスの例では、
「地域に貢献するバスの仕事」
というコメントが入っており、
そのコメントの影響もあって、
「バスの運転手も良いかも」
と思ってしまったことが
考えられます。
■勉強の例では、
なぜ1習慣休んでも良い。
という言葉を受け入れたのか。
ということを考えるのです。
1週間休むということは、
自分が楽することができる。
ということですので、
その考えを自分が受け入れない
はずがありません。
だからこそ、簡単にその言葉を
受け入れてしまうのです。
■つまり、ちょっとした言葉と言っても、
それは大きなインパクトを持っており、
そのインパクトを良い方向に向かわせるためには、
自分がしっかりと記録をとったり、
意識することによって、
その言葉の影響力について
思いを巡らせる必要が
あるのではないでしょうか。
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